この記事では、
教育系のレポートのテーマ設定に悩んでいる大学生に向けて、
おすすめの題材をご紹介します。
※教育問題について定期的にツイートもしているので、
良ければフォローしてください!₍@maroandmeru₎
今回おすすめする題材は、
「特別支援学校とALT」についてです。
英語の重要性については言うまでもありませんが、
特別支援学校でも英語に触れようという意識が出てきています。
文法や単語などの教材ベースの学習ではなく、
特にALTを使った体験型の教育が行われています。
一方でまだまだ歴史が浅いので、
指導法が確立されていません。
特に聴覚障害児に対するALTの活用は、
児童生徒だけでなく教師側にとっても手探り状態です。
それだけに課題を洗い出すことは、
これからの指導法の発展には欠かすことができないものになります。
特別支援学校(聴覚障害)におけるALTの活用について
実はこの題材は、
私が特別支援学校教諭免許状を取得する際に通った専攻科で書いた修了論文の題材です。
それを今回お勧めさせていただきたいのは、
「先行研究が少ないから」です。
この領域の研究はまだまだ進んでいないのが現状です。
筑波技術大学の教授を務めている松藤みどり氏という方が聾学校における外国語教育という分野で研究を進めておられます。
特別支援学校に限らず、
通常学校でも新出単語や教科書本文のモデルリーディングとしての役割を担う、
いわばCDの音源代わりのような役割に終始しているALTが多いという現状もあります。
ALTの導入が優先されて、
十分にサポート制度や研修制度が確立されないまま、
現在も制度が継続して行われています。
研究時間が十分に確保できる環境があるのであれば、
特別支援学校へのインタビューなど、
実地研究が非常に有意義な研究方法に挙がります。
英語教育の中でもALTとのティームティーチングは制度自体の年数が浅い一方で、
制度的な観点や教育的な役割的な観点など、
多角的な研究の余地が残されている分野でもあります。
論点の整理
①通常学級と特別支援学校におけるALTの現状の比較
特別支援学校に絞ると、推測の域を出ないレベルの内容のものになりそうです。
障害種別の英語教育も試みましたが、
こちらも現在のところ十分な確証が得られるレベルでは先行研究は行われていません。
その中で、通常学校との比較は、
制度の面や、ALTの心理面、教授法などいろいろな観点から探ることができそうでした。
②特別支援学校へのインタビュー・アンケート
現実的にはこちらの研究が、
非常に重宝されるものとなると思います。
とにかく下地があまりにも少ないため、
まずは各校へのアンケートや授業見学など、現場に足を運んでデータを取るところから始めてみてもいいと思います。
特に附属学校として特別支援学校を抱えている国立大学に所属している大学生・大学院生は、継続的な観察ができるかと思います。
③民間会社が行っている外国語学習へのサポート
これは少し学校から外れますが、
民間会社で行っている聴覚障害者への外国語学習のサポートにどのようなものがあるのかを調べるといったことも、一つのアイデアとしてありそうです。
英検でも各障害を抱えている人への対応を行っています。
障がい者に関する特別措置について
http://www.eiken.or.jp/eiken/apply/pdf/tokubetusochi.pdf#search=’英検+聴覚障害’
障害者差別解消法の施行により、学校現場だけでなく各業界で障害者への「合理的配慮」が求められています。(障害者差別解消法リーフレット – 内閣府)
まとめ
今回取り上げた題材は、
英語学習をに絞っているため先行研究が少ないのが実情です。
例えば海外の障害者に対しての教育など、
多角的な目線で調査する必要性がありそうです。
一方で比較研究という意味では、
ALTの活用については様々な課題が取り上げられています。
通常学校の課題と照らし合わせることで、
聴覚障害者特有の課題と、
英語教育一般の課題を区別することができそうです。
まだまだ研究の歴史が浅いだけに、
いろいろなアプローチを取ることができるのは大きな魅力と言えるテーマです。