皆さんは夏休みにどんな思い出をお持ちですか?
夏休みは学生にとって待ちに待った長期休暇だと思います。
実はこの楽しい夏休みの短縮が進んでいます。
夏休みは地方自治体ごとに多少の違いはありますが、
9月というイメージをもっている人も多くいます。
それが現在では、
8月の最終週から2学期が開始する自治体が急増しています!
この記事では夏休み短縮の背景と、
その影響について見ていきたいと思います。
夏休みが導入された理由
そもそも夏休みが導入された理由は何なのでしょうか?
実は明確にこういう理由で休もうという定義があるのではありません。
法的には学校教育法において定められています。
第29条 公立の学校(大学を除く。)の学期及び夏季、冬季、学年末、農繁期等における休業日は、
市町村又は都道府県の設置する学校にあつては当該市町村又は都道府県の教育委員会が、公立大学法人の
設置する高等学校にあつては当該公立大学法人の理事長が定める。
このように書かれています!
期間を決める権利は、
地方自治体の教育委員会に決める権利があるので、
冒頭のように自治体によって誤差があります。
①熱中症等の暑さによる弊害
夏休みの明確な理由は分からないものの、
一般的に考えればその季節性にあることが考えられます。
猛烈な暑さの中で授業を行うことは、
子供にとって大きな負担になりますし、
熱中症の危険性も高まります。
また、集中力の低下も考えられるので、
効率性の面でも下がることが想定されます。
実際に北海道や東北地方では、
夏休みが短い傾向にあります。
例えば札幌市のHPによると、
2学期の始業式は小学校では8月20日前後です。
このように、
気候と夏休みには大きな関連性があることが分かります。
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夏休みが短縮傾向にある理由は?
夏休みの理由がその季節にあるとすると、
温暖化が進んでいるにもかかわらず、
夏休みが短くなっている理由はどこにあるのでしょうか?
①エアコンの普及
暑さが夏休みの理由の一つだとすると、
エアコンの普及が休み期間の短縮と関係があることが考えられます。
平成29年の文科省のデータによると、
エアコンの設置率は公立小中学校では41.7%になっています。
前回調査時が29.9%になっていますので、
大幅にエアコン設置率が上がっていて、
教室環境が改善されていることが見て取れます。
ちなみに・・・
先ほど北海道・東北地方では、
夏休みが短い傾向にあることを書きました。
実際にエアコン設置率を見ても、
北海道では1.4%、青森県では4.5%と平均よりも大幅に低くなっています。
一方で東京都では84.5%、大阪府では60.5%と、
やはり北海道・東北地方と比較して、
都市部では高い設置率になっています。
(参考記事:公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況調査の結果について )
②授業時数の増加
近年、脱ゆとり教育と称して、
学習内容が増加しています。
小学校では指導内容だけでなく、
外国語学習の導入によって、
実際に授業時数が増加しています。
定められた授業内容・時数を確保するためには、
授業日を増やすことが必要になっていることが考えられます。
土曜授業の再開や、行事時間の短縮など、
様々な方法による授業時間の確保が求められていますが、
シンプルに長期休業を減らす方法が取られているようです。
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夏休み短縮の妥当性
様々な理由から夏休みの削減が進められています。
大切なのは夏休みを減らすことに妥当性があって、
子供にどのような影響があるかどうかということになります。
①エアコン設置に対する妥当性
エアコンの設置は進んでいますが、
各自治体によって大きな差があります。
現在の猛暑を考えると、
エアコンの無い教室で授業を受けることは大変な危険性があります。
全ての教室にエアコンが設置されている学校で無ければ、
授業によって差が出ますし、
体育の授業や部活動などでは命の危険性が高まります。
万が一のことを考えると、
エアコンの設置率が増加していたとしても、
安全な環境が確保できない場合においては、
授業変更や短縮授業、従来通りの夏休みの確保等適切な対応をする必要がありそうです。
②授業内容の増加に対する妥当性
小学校の授業時数の増加に対して、
授業日数を確保することは自然な流れと考えられます。
一方で授業内容は増加したものの、
法定授業時数が増加していない場合に、
授業時数の確保のために夏休みを削減することは必要なのでしょうか?
実際に法定時数だけ授業が行われているのであれば、
その中で指導内容を完結させることが求められるのは自然な流れです。
【小学校】年間35週₍1学年は34週₎
【中学校】年間35週
学習指導要領では、
年間35週以上に渡って授業が実施されることを基準としています。
過去には兵庫県明石市において、
法定授業時数よりも少ない時数しか授業が行われていない案件がありました。
しかし現実には、
むしろ標準授業時数を上回っている学校が多く存在しています。
そこまでして授業時間を確保したいということは、
指導内容が終わらないということを示しています。
授業時間を青天井で増やすこと以外にも、
少人数指導による授業進行のスムーズ化や、
学習内容の選定など多くの点において改善策を考えていくことが必要になってきているようです。