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少人数指導のデメリットとは?【課題と改善策】

この記事では少人数指導について、
現行の制度におけるデメリットについてまとめています。

現在少人数指導は学校現場だけでなく、
塾などの民間企業でも採用されている指導体制です。

実際に数学・英語を中心に、
中学校・高校では少人数指導が実施されています。

それほど人気のある指導体制ですが、
なぜ全面的に少人数指導へ移行されないのでしょうか?
そこにはいくつかの大きな欠点があるからです。

この記事では少人数指導の「デメリット」に着目することで、
より効果的に少人数指導を行うためにどうすれば良いのかについて考えていきます。

少人数指導の現状

一昔前までの学校では、
1クラスあたり40人前後に対する一斉授業が一般的でした。
それが少しずつ々の児童生徒への対応が重要であるという流れに変わってきています。

実際に文部科学省の調査によると、
平成30年度に少人数指導を実施した学校数は、
小学校・中学校ともに半数を超えています。
₍参考資料:平成 30 年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査

また2021年2月下旬に今後5年間かけて、
小学校全学年で一クラス当たりの児童数を35人まで減らしていくことが閣議決定されました。




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少人数指導のデメリットは

これだけ国全体で少人数指導を後押ししていますが欠点は無いのでしょうか?

実は少人数指導の効果を最大化するために必要な課題がいくつか立ちはだかっています。
具体的には以下に挙げる3つのポイントが挙げられます。

①人的資源の問題
②教科間の偏りの問題
③少人数指導の効果面の問題

それでは一つずつ細かく見ていきましょう。

①人的資源の確保

少人数指導を行うためには、
指導者の確保が何よりも必要です。

1クラスを半分に分けるだけでも、教員が担当するコマ数は格段に増えます。

過去に特別支援教育の課題を作成した際にも、
専門性を兼ね備えた教員の不足を挙げました。

特別支援教育の課題についての記事はこちら!!
関連記事:特別支援教育特有の課題とは?

公教育ではアルバイトを活用するわけにもいきませんので、
定年退職後の教員を再任用等の形で採用したり、
非常勤講師を多く雇うことで人材を確保しているのが現状と言えます。

教育に対する資金面の不足

上記のように様々な形で教員の確保を試みています。
その一方で教員数の増加は、人件費の増加を意味します。

OECD₍経済協力機構₎のデータでも、
日本はOECD加盟国の中でも家計に大きな経済的負担を強いていると報告されています。
₍参考資料:カントリーノート:日本

【関連記事】 >>> 国が教育にお金をかけない理由って?【日本の現状】【公的支出】

高等学校の無償化等、家計に対する支援は徐々に広がってきましたが、
教育システムに対する投資は依然として十分なものとは言えません。

公務員も人件費カットが進む中では、
教育業界においても質の高い少人数指導を行うためには資金面でも厳しい状況であると言えます。

②特定教科への偏り

少人数指導はすべての教科で実施されているわけではありません。
主に数学・英語の授業で行われているものです。

1つ目の課題とも重なりますが、
人材確保面でも特定の教科に偏ることになります。

また、個に応じた指導が、
数学・英語においてのみ必要と言える根拠はありません。

苦手意識が強くある教科、
受験で必須となりやすい教科である数学と英語が採用しやすい教科と考えられたと言えます。

このような教科間による不当な違いは、
子供側だけでなく保護者にも誤ったメッセージを送ることになります。

英語科におけるALTのように、
教科の特性上必須であるもの以外において、
不当な差異は避けるべきとも考えられます。




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③少人数指導の効果の不確かさ

ここまで見てきたように、
少人数指導には問題点があります。

その中でも特筆しているのが、
少人数指導の効果面の課題です。

財務省は学級において、
明確な効果は見られないと明言しています。
₍参考資料:教職員数と学力の関係

加えて、習熟度別指導・アクティブラーニング等の
文部科学省が推奨する指導においても、
教職員数の確保だけに時間と費用を費やすことは適切ではないと記しています。

教育に関する検証は、
継続的に成績を追跡することはできても、
学外の学習時間など外部の要因が大きく、
特定の教授法の効果を調べることは難しい部分があります。

少人数指導においても、
教え方が直接的に子供の成績に結びつくかの検証は難しく、
「少人数指導=きめ細やか」だとしても、
それが成績の向上に結びつくとは限らないことを理解しなくてはいけません。




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より良い制度にするためには

ここまで見てきたように少人数指導には課題が山積しています。
しかもすぐに改善することができるものに限らない点がより一層問題を難しくしています。

ただ私の英語教員としての経験上、
少人数指導の方が質問が増えたり、
生徒同士で協力し合ったりする姿は見られるように思います。

人員確保の点に関しては、
退職者の再雇用や定年退職の延長など様々な方法を用いて改善しようと努めています。

予算に関しては教育界だけの問題ではなく、
国全体を挙げて予算の確保に動く必要があるため非常にハードルが高い問題になっていると言えるでしょう。

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