社会問題

不登校になる理由とは?増加する要因

この記事では不登校に焦点を当て、
「不登校を引き起こす原因」はどこにあるのかについて考察しています。

不登校になる子供の数が増え続けています。
文部科学省が発表したデータによると、
平成28年度の不登校生徒児童数は133,683人になります。

この数字は平成25年度から4年連続で増加しています。
小学校においては前年比より10%増加という結果が示されました。

このように不登校は社会的に大きな問題になっていますが、改善させるためには現状が不可欠です。

そこでいくつかの統計を基に、
不登校について現状分析していきます。

不登校の定義とは

子供が不登校になる理由を分析する前に、
不登校の定義ついてです。
文部科学省は不登校の定義を以下のように設定しています。

文部科学省の調査では、「不登校児童生徒」とは
「何らかの 心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、
登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、
病気や経済的な理由による者を 除いたもの」と定義しています。

不登校数には重度の病気による欠席や、
経済的に困窮しているために欠席を余儀なくされる子供の数は含んでいません。

つまり文科省が設定する不登校には、
身体的・経済的に通学不可と考えられる場合は含まれません

学校に行きたくない(行けない)理由

年間で30日以上の欠席が、
不登校としてカウントされる対象になっています。

中学校における年間授業日数は概ね、
196日から205日に設定されています。

仮に1年間の授業時数を200日とすると、
年間30日間の欠席は全体の15%欠席に相当します。

義務教育段階における学校の欠席は、
学習面・身体面・社会面など様々な成長に影響をもたらします。

それではなぜ不登校になってしまうのでしょうか?

いじめによる不登校

不登校の原因として頻繁に取り上げられるのが、
「いじめ」による不登校です。
文科省はいじめ認知件数に関するデータを発表しています。

平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、いじめ認知件数は414,378件になります。

小・中学校に絞ってみると、
397,545件になりますので全体の96%が義務教育期間に行われています。

また、28年度はいじめ認知総数が323,143件、
小・中学校では合計308,565件になりますので、大幅に増加しています。

 

確定しているデータを比較してみましょう。
平成28年度小中学生の不登校件数が133,683
同年度のいじめ件数が308,565件です。

文科省は不登校の要因についても調査しています。
先ほど数値を示した平成28年度において、
いじめによる」不登校と分類されるものは小学校で0.6%中学校で0.5%としています。

最も多くの割合を占める要因が小学校・中学校共に「家庭に係る状況です。
割合は小学校・中学校それぞれで52.1%、28.9%となっています。

いじめによる不登校の割合は1%未満と直接的にいじめが不登校につながることを示してはいない。

一方で、不登校要因の分類を行っているのは教職員(保護者の意見を踏まえ専門家との協議で決めている)であるという点には留意が必要!!

分類の方法に改善点があることは考えられるものの、
「いじめ → 不登校」という流れは必ずしも適当でないことが窺えます。

統計上、不登校の要因としてより大きなウエイトを占めているのが、
「家庭に係る状況」になります。

本ブログでは、
いじめについて書かれた本を紹介している記事があります。
以下の記事もあわせてご覧いただけると、
いじめの実態が正確に理解できます。
【関連記事】>>> 書評⑩:「いじめを生む教室」

家庭の事情による不登校

文科省のデータでは調査の性質上、
家庭の事情による不登校の詳細な数字は確認できませんでした。

家庭の事情による不登校の要因として考えられるものには、
ネグレクト・虐待
が挙げられます。

プライベートな問題であることや調査の困難性から、
ネグレクトや虐待に関する具体的なアンケート・調査は少ないのが現状となっています。

そのような状況において、
平成16年の文部科学省の資料がネグレクトと不登校に関して重要な役割を担っています。

参考記事:「現在長期間学校を休んでいる児童生徒の状況等に関する調査結果とその対応について(通知)

30日以上連続して休んでいる児童生徒のうち,学校も他の機関の職員等も会えていないと思われる児童生徒数は9,945人(20.2%)
学校も他の機関の職員等も会えていない主な理由は,
・児童生徒本人の心身上の理由により会うことができない(66.1%)
保護者の拒絶により会うことができない(9.1%)
・その他(居所が不明,域外に居住,連絡が取れない等)(16.7%) など

古いデータですが、
不登校児の中には接触することができない案件が不登校全体の20%以上にもなります。
その中でも保護者の拒絶によるものが約10%(およそ1000件)存在しています。

これらが全てネグレクトに該当すると断言はできません。
しかし現実に起こっている問題として、
学校職員だけでなく他機関の職員の接触も拒否している実態があります。

不安・無気力・非行等

いじめなどの対人間関係・家庭の事由による不登校と分類の異なる、
「本人の性格・行動由来の不登校」の割合も無視できません。

神経症によるものや精神疾患等、
本人の問題=やる気の問題ではない」点に配慮が必要です。

文科省は本人に係る要因として、
不安傾向」、「無気力傾向」、「非行傾向」を分類要件にしています。

平成28年度の調査では、
小学校における不登校の62.4%中学校における不登校の67.1%がこれらに該当しています。

本人の傾向に原因を求める割合が高いことが見て取れます。
一方でこれらの分類は、保護者やスクールカウンセラー等の専門家と教員による同意によるものでした。

ここからも原因の特定に苦慮していることが見えてきます。
子供が不登校になる要因が、
客観的には分からないことが多いと言えます。

不登校児に対する直接的な聞き取りが最も望ましい形ですが、
負担等を考えると実現可能性は低いように思われます。

子供本人の傾向による不登校」ではなく、
不登校に繋がった傾向のスタート地点を読み解く作業への転換」が子供理解には必要です。





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不登校の理由の解明には多角的な視点が必要

不登校につながる理由について、
文科省のデータに基づいて見てきました。
大きく分けて3つの要因があることが考えられます。

①対人関係

②家庭の状況

③子供本人の心的・行動的傾向

一般的に考えられている、
いじめによる不登校は必ずしも多くないことが分かりました。
一方で、「いじめられていると言いづらい」などの心情面を酌めているかは不透明です。

 

家庭の事情による不登校では、
ネグレクト等の虐待も疑われます。
子供と接触ができていない事象の存在が考えられます。

児童相談所や警察の介入が進むことによって、
不登校の要因の解明にもつながることが期待されます。

 

子供の意思による不登校の選択については、
更なる調査が必要と思われます。

発達障害等、学校への不適応に関しては、
本人のやる気では割り切れない要因があることは明白です。

教員やスクールカウンセラー等の第三者による不登校の分類には限界があります。
例えば教員との関係による不登校への分類は、
調査への回答者である教員の心理的障壁が存在することは想像に難くありません。

現実に起こっている不登校は、
理由が明確なものばかりではありません。
いじめや生活リズムの乱れ・非行・家庭環境・発達段階・人間関係等が複雑に絡み合って生じるものであると考えられます。

不登校やいじめに関する書籍の活用

不登校やいじめの現状を理解する上で情報収集は大切です。
情報源はネットやテレビなど様々なものがありますが、
一方では情報の信ぴょう性が乏しかったり、
少数派の件をセンセーショナルに報じたりしている場合があります。

この点を改善するためには、
書籍を活用することが望ましいように思います。

プライバシーの観点からも特定の事象に限定していませんし、
専門的な著者がデータを詳細に分析していますので正確性が高まります!

過去にも何冊か子供の発達に関わる書籍を、
紹介していますのでぜひご覧くださいね!

書評③:「不登校は1日3分の働きかけで99%解決する」
こちらは保護者の働きかけによって、
子供の不登校を解消しようという本です。
「コンプリメント」という方法を細かく丁寧に説明していますので、
ぜひ一度ご覧いただきたい1冊です。

書評⑩:「いじめを生む教室」
この本はイジメに関する誤解に関して、
最新のデータを基に説明しています。
例えば、ネット上のいじめに関する誤解などは一読ものです。

書評⑰:「子ども虐待」
3冊目は少し不登校からずれますが、
虐待のような深刻なトラウマ経験は長期間悪影響を及ぼします。
このことは、イジメについても言えることですので、
子供の発達について知ることは有意義だと言えます。

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