近年、「老後に2000万円の貯金が必要」など、
目先ではなく長期的な資金の必要性が取りざたされています。
それに伴い、仮想通貨や投資など、
若い世代であっても資産運用に興味を持っている人が増えた気がします。
とは言えまだまだ、
ちょっと怖い世界だなって思うところもありませんか?
「株入門するための」入門書
新しく何かを始めるためには、
初心者でも分かりやすい説明書が欠かせません。
特にお金の伴うことですので、
情報の収集にはより一層量だけでなく、
質も求められます。
そんな時に出会ったのが橘玲氏の臆病者のための株入門です。
この本は僕みたいな株初心者でも分かりやすくて、
株に関する入り口だけでも知りたいというビギナー向けの本と言えます!
「株式投資はギャンブルである」
株と聞いて最初に浮かんだのが、
「うさんくさい」という印象でした。
一部の人で市場を牛耳ってビギナーをカモにするといういわば「ギャンブル」という感覚です。
橘氏は本書内で、
株式投資について以下のように述べています。
株はやっぱりギャンブル(偶然のゲーム)なのだ。
(中略)
ギャンブルはうさんくさくない。
株式投資はギャンブルである。
だから、株式投資はうさんくさくない。
ギャンブルには競馬やパチンコも含まれています。
要するに運のゲームであるということです。
一方で・・・
ギャンブルとして成り立たせるために公正で公平な投資機会が与えられる必要性も指摘しています。
本書を読む前は、リスクを減らして堅実に儲かる方法が存在するように考えていました。
だからこそ、素人が入り込むとカモにされるって思ってたんですね。
ルールも知らないでそのジャンルのマスターたちに挑むようなものですから・・・。
橘氏も指摘している点ではありますが、株式投資はギャンブルでないと考えることによって、「自分はギャンブルに手を出しているのではない」という意識が働き、破産するまで続けてしまう事態になることもあると思いました。
大どんでん返しは社会の王道から外れた人に訪れる
株式投資がギャンブル的な要素を含んでいることは分かりました。
運に左右されるとは言っても、実際に株式投資によって莫大な資産を築いている人はいます。
本書ではその例として、ジェイコム株の誤発注の間隙をついて、20億円の利益を出した若者を取り上げています。
しかも!この人27歳の無職だというのだから夢のある話ですよね。
しかし、橘氏はこういった事故的な利益の出し方は、フリーターや学生、主婦にしか訪れないと述べています。
理由はいたってシンプルかつ腑に落ちるもので、
社会的に高い地位や高収入を得ている人が、破産のリスクを払ってまで賭けに出ないからというものです。
言われてみればその通りなんです₍笑₎
仮に完全な攻略法があれば、人に言わないで自分だけのものにしますよね!
しかももともとの資産力が桁違いなら、リターンもメチャクチャでかいですし!
株式投資はゼロサムゲーム
どんな人でもギャンブルで失敗した人はわざわざ失敗したことを大事にしません。
成功した人が「必勝法」などと言いだします。
株式投資の場合は「誰かが得をすれば誰かが損をする」ようにできています。
1億儲かれば全体として1億円の損失がどこかで生まれているということも橘氏は指摘しています。
儲かっているような人は当然手練れに決まっていて、
市場から排除されるのはいつでも弱者なのです。
トーシロ投資法
ここまで見る限り、株式投資はもはや成功の可能性が無いように見えますが、橘氏は素人が合理的に投資する方法も明記しています。
それも難しい計算式などは使わずに、非常に分かりやすく説明されています。
具体的な話は本書を読んでいただきたく思いますが、
「臆病者には臆病者の投資法」があることを橘氏は教えてくれています。
身の丈に合った投資をすることで、
不必要にリスクを負う必要は無いんですね。
自分が動かせる範囲の資産を正しく動かすことが大切です。
まとめ
先述のように株式投資はなんだか怖い世界のように感じますし、
信用できないというのが本心です。
それでも、
今から株式投資に参戦してみようという人には後押しとなる1冊であるかもしれません。
私は株に関する専門知識が無いため、
本記事では仕組みやメンタル面についてのみ言及しましたが、
本書では株に関する内容もしっかり書かれています。
著者自身の経験なども絡めながら書かれていますので、
非常に読みやすいものとなっています。
反対に既に株式投資を行っている人には、
少し物足りないものとなっています。
株式投資を始めるか悩んでいる人、
興味を持っている人にはぜひ読んでいただきたい1冊だと思っています。