教育関連

書評㉖:「はじめての言語学」

皆さんは「言語学」に対して、
どのようなイメージをもっていますか?

私は英語の教員免許を取る関係で、
大学生の時に少しだけかじったことがあるのですが・・・

「なんの役に立つのか分からん!!!」

って感じた気がします₍笑₎
というよりも、それすら感じずに聞き流していたレベルな気もします。

語学を専攻していない人にとっては、
言語学はなおさら関係の無い領域かもしれませんね!

この記事ではそんな小難しい言語学を、
興味の無い人でも理解することができる1冊をご紹介します!

まだ将来何を勉強したいか定まっていない人や、
語学を学習している人にとっては、
何かアイディアをもたらしてくれる1冊かと思います!

言語学を分かりやすく解説

この記事で紹介するのが黒田龍之助氏の「はじめての言語学」です。

この本は、言語学を更に細分化して紹介している本です。
作者いわく、言語学の入り口から覗いている感じだそうです₍笑₎

それでも言語学に触れたことのない人にとってみたら、
非常に新鮮な内容に感じられると思います。

言語学のトリセツ」みたいなイメージで、気楽に読める1冊だと思いました。

文献から文献へ

この本の中では「読書相談室」という形で、
各章ごとに、作者オススメの本を紹介しています。

比較的最近出版されたものが多いので、
購入することも容易なように思いました。

作者も推奨しているところですが、
気になった本の作者が紹介している本を辿っていくと、
興味も尽きませんし比較的読みやすい本に突き当たることが多いと思います!

参考文献から気になる1冊を探し出して、
数珠つなぎで読んでいくイメージです!




スポンサーリンク

「使える言語」と「使えない言語」

外国語を勉強するときに多くの人が考えることは、
できるようになって役に立つかどうか
ではないでしょうか!
日本の学校では、ほとんど必ずと言っていいほど英語を学習します。

好きな人にとっては良いですが、
苦手な人にとっては何をするにも英語が必要とされるのはうっとうしいかもしれません。

大学に進学してまで必修である大学もたくさんありますもんね!
そうすると、新しくほかの言語を学ぶということは、
どれだけ大変かということは痛いほどわかっていることかと思います・・・。

できれば使い道のある言葉について勉強したいと思うことは当然です!

この点に関して言語学ではどう考えているのでしょうか?
もちろん、どの言語が重要でどの言語は重要でないという順位付けはありません

同じように、少数民族の言葉だからといって、
英語や中国語のような大勢の人が使用する言語よりも劣っていることもありません。

一方で・・・
「言語経済学」という分野を提唱している言語学者もいるそうです。

ここらへんは言語に対する考え方や、
世間の関心の集まる分野の必要性など、
様々な観点から意見が分かれるところになるかと思います。

ちなみに著者は言語は全て平等であるという考え方に基づいて、
話が進められていますので参考までに!!

使う人が多いほど言語には価値がある?

言語の経済性の話ついでに、
本書内では言語使用者数と言語の価値についても言及しています。
一般的には、英語は世界共通語で話者も多いから
大切な言語だと考えられています。₍経済大国の母語だからという理由ももちろん!₎

この意見は本当に合っているのでしょうか?
実際に著者が本書内で紹介しているデータですと、
母語話者が最も多い言語が英語で、次いで中国語になります。

でもその次となるとヒンディー語、アラビア語になります・・・。
英語を母語とする人は外国語としてヒンディー語や、
アラビア語を学ぶことが最も役に立つのでしょうか?

言語学を学ぶと何の役に立つの?

冒頭にも少し書きましたが、
言語学が身近に感じられないのは学ぶメリットを感じにくいことだと思います。

科学技術が進歩してITやプログラミングなどの理系科目に注目が集まる中で、言語学という何とも使い道のなさそうな分野に注目が向く方が不思議です。

それなのに、狭い範囲ではあるかもしれませんが、
言語学という分野は確実に進歩していますし生き残っています。

そんな言語学を学ぶとどんなメリットがあるのか、
本書を読んで感じた利点のついて触れたいと思います!

①外国語を学ぶ時の手助けになる

一つ目が言語を知ることで、新たな言語習得の手助けになることです。

実際のところ言語学というのは、外国語学習法に関する分野ではありません。
言語学者が人よりも早く言語習得ができるわけではありませんし、
たくさんの言語を話せるわけではないようです。
₍仕事がら、複数の外国語を使う機会は多いようです!₎

ですが、音の出し方₍調音₎や言語の特徴について研究することは、
やはり新たな言語を習得するうえでは有利なようです!

というのも、外国語を学習する時に立てる対策が違ってきます。
独学で一から学ぶと、何から手を付ければいいのか分からなくなります。

この点において、言語の扱いに慣れていれば、
自分が必要な内容とその対策が具体的に見えるようになります。

②言葉が分からない気持ちが分かる

2つ目が他者理解の観点です。
と言っても外国語は義務教育段階で学びますから、
外国語の大変さは多くの人には分かります。

外国人が困っていたら、
英語ができなくても身振り手振りで助けてあげる親切な人も多くいます!

ただ大切なのは、
日本人だから日本語が話せるとは限らない」ということです。

言語について学べば、日本人=日本語話者
なんていうトンチンカンなことは言わなくなります。

テニスの大坂なおみ選手に、
日本語でのコメントを執拗に求めるなんて恥ずかしいことはできなくなるはずです。

詳しくは本書をぜひとも読んでいただきたいのですが、
国籍と言語、国や民族と言語は一致するものではありません。

このこと1つとっても、多文化社会と言われる現代において、
本書を一読する価値は十分にあると思いました。

関連記事はこちら

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA