教育関連

書評⑳:「中学・高校英語スピーキング指導」

中学校・高校問わず、
生徒のスピーキング能力を高めることに苦労する先生が多いかと思います。

様々な理由が考えられますが、読み書き指導と異なり、
スピーキング指導は結果が目に見えにくい₍数値化しにくい₎ことが考えられます。

もちろん生徒自身が1番ですが、やはり結果に表れないと、
教えている側もなかなか継続して指導に取り組みづらくなります。

更に、会話の指導方法が確立されていないことも要因の一つと言えそうです。

英会話力が求められている一方で、
なかなかこれと言った教授法が見つかっていません。

それが教育の面白いところでもありますが、
特に教壇に立ち始めたばかりの先生にとっては負担になっていることも事実です。

この記事で紹介する上山晋平先生の、
はじめてでもすぐ実践できる! 中学・高校 英語スピーキング指導』では、実際のスピーキング指導例に加えて、
指導する際のポイントも紹介されていて、
様々な学力帯・学習環境の学校で汎用が利く内容になっています!

具体的に提示されているポイントもいくつかご紹介します!!

会話指導で重要なポイントは【自己決定】

スピーキングは生徒にとって不慣れなことが多いです。
特に英語が苦手な生徒にとっては、みんなの前で話すことを苦痛に感じてしまう子もいます。

そういった生徒の気持ちを考慮してか、
ついつい先生の側で手取り足取り指導してしまいがちになります。

この点は私も自分の授業を振り返って反省しきり・・・

ですが、先生が細かく指示を出せば出すほど、
生徒たちは自分の考えを表現することができなくなってしまいます。

先生の指示待ちの状態に陥ってしまうことになりますし、
説明が長くて飽きやすい状態が作られてしまいます。

この点を解消するために、著者は例として
議題を複数提示する」ことを挙げています!

例だけ見ると、選択肢を増やして、
生徒に自分で選ばせるだけのようですが、しっかりとした裏付けが隠されています。

「自分からやりたくなる環境が一番その人の能力を発揮できる」

という、アメリカの心理学者であるデシの言葉を引用してその効果を説明しています。

更に筆者は、

「与えられた1題について話す」ときより、「好きなほうを選んで話す」ときのほうが、生徒のやる気は高まります。
₍略₎
「やらない」という選択肢が自然になくなる

というメリットも挙げています。

これは先生側にとっても大切なことで、
「一生懸命準備すればするほど、ハズした時のダメージが大きい」状況になりやすくなります。

誰だって、一生懸命準備したものが役に立たなければ凹みます。
それが忙しい中でいろいろ考え、備えていたものであればなおさらダメージは大きくなります。
また手の込んだものは、意外と生徒にとって「やらされている感」が高まります。

それが選択肢を示すことで、生徒が自分で選ぶようになります。
自分で選んだのだからやらざるを得ません。
2択で絞ったうえで提示すれば、どちらかを選びやすくなります。

ちょっとした工夫ですが、
生徒の気持ちを活動に向かせるためにはとても重要なポイントと言えそうです!




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「生徒は英語を話したいと思っている!」

スピーキング活動に踏み切れない理由の一つには、
「生徒は話すことが苦手」だという考えがあると思います。

自分の意見を話したり、ディベートしたりすることは、
極一部の進学校でしかできないと、
先生側であきらめてしまっているところがあるように感じます。

私もその例に漏れず、
今でもリピートや会話のフォーマットに沿った会話以外の活動に踏み切れないでいます。

この点は作者の上山氏も同様に考えています。

ある年に、特別な準備をせずに「2分間ミニ・ディスカッション」をしてみました。トピックは、「制服に賛成か反対か」です。
なんと生徒が意気揚々と英語で話し続けているのです。私はこの姿を見て反省しました。実は、ディスカッションをさせるまで、私は次のように考えていたのです。
・やり取りを続けるための英語表現を教えておかないといけない
・話に詰まったときにどうするのか、その表現も教えないといけない
・ペアで対話するには、1人で話す力を養わないといけない

こう考えていると、なかなかディスカッションを気楽にやってみるという気になりませんでした。だからできなかったのです。

ここから分かるように、
先生側でハードルを上げてしまっています。

日本語で取り組むディベートと比べたら、
内容はつたないものになりますが、
それは英語で行う以上は当然です。

先生側があまりに高い理想を掲げてしまうと、
創造的な活動を行えなくなってしまいます。

ここでも生徒の自主性に任せて、
まずは英語で話してみる機会を確保することが大切と言えそうです。

その中で、会話を続けるためのルールや、
役に立つ表現をヒントとして与えてあげれば、
多くの生徒は四苦八苦しながらも会話を続けようと努力します。

確かに思い返してみると、いざ会話活動を行うと
みんな楽しそうにパートナーやグループ内で話している姿を見かけます。

生徒の可能性や意欲を先生がつぶしてしまってはいけないと再確認しました!




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授業に困ったときの手助けになる1冊

本記事でご紹介した「はじめてでもすぐ実践できる! 中学・高校 英語スピーキング指導」は、とにかく実践例が豊富です!

授業のマンネリ化や手詰まり感を感じた際に、
ちょっとした変化を与えるのに役立つ1冊だと思います。

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