この記事では、
人間関係の悩みを解決に導いてくれる1冊についてご紹介していきます。
多くの人にとって、
人間関係の悩みは人生の質を左右する重大な悩みになっています。
時には健康問題に繋がってしまう深刻なストレスに繋がってしまうこともあるくらいです。
本記事で紹介する「私とは何か 「個人」から「分人」へ」では、
「分人」という考え方を使って人間関係の悩みを紐解いていきます。
ぜひ「私とは何か 「個人」から「分人」へ」を読んで、
現代病ともいえる人間関係の悩みを取り払ってストレスレスな日常を手に入れてください。
個人(individual)から分人(dividual)へ
『ドーン 』や『決壊
』の著者である平野啓一郎氏の『私とは何か――「個人」から「分人」へ
』についての紹介です。
本書は羽生善治氏の『大局観』でも取り上げられた一冊になります。
人間関係に関する深い悩み・・・
多様な社会と言われて久しいですが、まだまだ心情的に多様を受け入れられない部分もあります。
特に人間関係に関しては多くの人の悩みのタネになっているようです・・・。
エン転職で有名なエン・ジャパンが職場の人間関係に関するアンケートを行っています。
「職場の人間関係」意識調査では、53%の人が転職の理由に「職場の人間関係」を挙げています。
更に同アンケートで8割の回答者が、
人間関係に難しさを感じたことがあると答えています。
これだけ多くの人が人間関係に関して悩みを抱えています。
人間関係は職場だけではありませんよね?
家族、友人、恋人なども含めれば、もっと多くの人が人間関係に悩みを持っていることが考えられます。
「周囲の人とうまく関係を築きたいな~」この希望は多くの人にとって共通の願いなのかもしれません。
一方で、「誰とでもうまくやっていける人もいる」という事も感じませんか?
誰にでも好かれ、すぐに溶け込めてしまう人もいます。
(私は人見知りなのでとてもうらやましいです・・・。)
それでは「誰とでもすぐに友達になれる人になりたい?」と言われると実は即答できません・・・。
八方美人になりたくない気もします。
芯を持っていない人間に思われたくない気もします。
この点で、人間関係に関する悩みの矛盾が内在して更なる苦しみにつながります!
「本当の自分」なんて無いんやで?
本書では、この人間関係の悩みを一掃してくれます!
まず初めに、タイトルにもなっている「分人」とは何でしょうか?
分人とは実は著者の平野氏の造語です!!
著者は分人について以下のように考えています・・・
分人とは、対人関係ごとの様々な自分のことである。
とてもシンプルな考え方です(笑)
そこで、著者は分人を個人との比較で考えています。
「個人」とは英語でindividualです。
この単語は、「これ以上分割できない」という意味を含んでいます。
一方で!分人とは「様々な自分」です。
そう考えると、「八方美人は嫌だ!」という嫌悪感は無くなります。
相手によって接し方を変えることは当然だからです。
円滑にコミュニケーションを取るためには、「本当の自分」をごり押ししていてはいけません。
相手の話を聞くことも、自分の心を開くこともどちらも大切です!
平野氏はコミュニケーションについて次のように考えています。
私たちは、極自然に、相手の個性との間に調和を見出そうとし、コミュニケーション可能な人格をその都度生じさせ、その人格を現に生きている。(略)
コミュニケーションが成立すると、単純にうれしいからである。
非常に簡潔で核心をついていると思いました。
コミュニケーションを成立させることは誰にとっても幸せなことです。
だからこそ人間関係で悩みが起きることになります。
相手とうまく調和してコミュニケーションを取ることには、得意不得意もあります。
この点だけを受け入れることができれば、「素で関われない」、「新しい関係が不安」という感覚に囚われすぎる必要は無くなると思います!!
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うまくいかない事の半分は相手のせい!
分人という考え方を取り入れるメリットは他にもあります。
人間関係が上手くいかないと、つい自分を責めてしまいがちです。
この時に相手のせいにできる人は、人間関係で悩むことは少ないでしょう。
ですが、私も含めて「どうして傷つけてしまったんだろう」
「どうして話がうまく進まないんだろう」
このような自分に原因を探してしまう人はいませんか?
著者はこの点を、分人という概念を用いてうまく解消してくれます。
分人は相手との相互作用によって生じるものです。
「ネガティヴな分人は、半分は相手のせい」と言えます。
同じようにポジティヴなことの半分は相手のおかげです。
分人主義に立つと過度に卑屈になったり、思い悩むことが無くなります。
同じように傲慢になることも無くなります!
自分は多くの人との分人によって形成されています。
良い時も悪い時も、自分のおかげ・自分のせいでは言い切れないのですね!!
現代人の悩みの核心を突いた一冊
人間関係の悩みは深く長く続きがちです。
特にコミュニケーションに自信が無いと、あらゆる場面で緊張しますし気疲れします・・・。
更に、コミュニケーションが上手くいかないことを自分のせいにしがちです。
ですが、相手との相互作用によって生じる「分人」
自分の中にはたくさんの分人がいる!
そう考えれば、いくつかの分人が上手くいかなくても問題ありません!
上手くいっている分人(人間関係)を生活の中心に据えましょう!
良い時も悪い時も全て相手と半々です。
一人で抱え込む必要はありません。
そんなことを感じさせてくれる平野啓一郎の『私とは何か』をぜひ一読ください!!